カルバートCULVERT
日本アーチカルバート工業会
アーチカルバート
アーチカルバートには、形状と強度により、次の種類の製品があります。
これらの規格を組合わせることにより、管路延長全体を工場製品をもって完成出来るようになっております。
製品の種類及び設計条件
■形状による種類
標準形アーチカルバート A規格
縦方向連結形アーチカルバート P規格
二分割形アーチカルバート S規格
直載形アーチカルバート B規格
マンホール用アーチカルバート M規格
■土被り条件による種類
アーチカルバートは次の3種類について、それぞれ許容土被りを定めております。許容土被表に示しております範囲を超える場合は、別途土被り条件に応じた設計・製作を行ないます。
Ⅰ 型 標準厚さで標準鉄筋のもの
Ⅱ 型 標準厚さで鉄筋量を増加させたもの
特厚型 Ⅰ型より約3割厚さを増加させたもの
■設計条件
活荷重 T-25
■技術資料
許容土被り等については、「アーチカルバート設計施工要覧」をご参照下さい。
標準形アーチカルバート(A規格)
標準形アーチカルバート(A規格)は、直線施工用の標準品で、継手部はインロー形でゴム輪により接合します。サイズは内
幅800~3000mm の10種があり、それぞれについて内高がⅠ・Ⅱ型は、内高/内幅比0.7~1.2の6種類、特厚型は、1.0
~1.2の3種類を用意しています。
標準寸法表
縦方向連結形アーチカルバート(P規格)
■縦方向連結に対応
■縦方向連結形アーチカルバートは、次のような場合に使用します。
①布設地盤が軟弱で不同沈下のおそれがある場合
②地下水位が高く、高い止水性が必要な場合
③ガス管、水道管、電気、通信ケーブル等を横断する場合
■この製品には、PC 鋼材定着用切欠穴の有無によってFタイプ(無)とHタイプ(有)の2種類があります。
標準寸法表
二分割形アーチカルバート(S規格)
■大型断面に対応
二分割形アーチカルバートは、アーチカルバートの構造的利点を生かし、近年の地下構造物の大型化に対応して、製品を分割生産し現場でPC 鋼材にて緊結するもので、強度については工場実験で従来の一体成形品と同等であることが実証されております。
内幅は3500~5000mm 、内高は3500~5400mm 、土被りは3.5m用及び9.5m用を用意しております。
標準寸法表(SP3.5型:土被り3.5m用)
標準寸法表(SP10型:土被り9.5m用)
直載形アーチカルバート(B規格)
直載形アーチカルバート(B規格)は、内面はアーチ形、外面はボックス形となっており、継手部はインロー形でゴム輪により接合します。
トラックなどの車両が通行する道路の横断等で、土被りのとれない場合に用います。
マンホール用アーチカルバート(M規格)
アーチカルバートのマンホール部については、現場打ち施工のかわりに、工場製作によるマンホール用アーチカルバートを用意しております。
この製品は、直載形アーチカルバート(B規格)にマンホール穴を設けたもので、内面はアーチ形、外面はボックス形となっており、継手部はインロー形でゴム輪により接合します。
継手の形状
■標準形(A規格)、直載形(B規格)、マンホール用(M規格)
継手の形状をインロー形とし、ゴム輪により接合する。
■縦方向連結形(P規格)
PC 鋼材によって各単体を連結させて布設する構造のもので、防水は、PC 鋼材の緊張力とシール材によって行う。
曲線布設・折点布設
■曲線布設
標準長さ製品の継手を少しずつ曲げながら、大きな曲げ半径で据付けを行うのを、曲線布設といいます。
各継手を均等に曲げて行うのでサイズと製品の長さにより許容曲げ角度及び最小曲げ半径は下表の通り定まります。据付け後、継手の抜け出しを防ぐために、継手目地を十分に施して下さい。
■許容曲げ角度及び最少曲げ半径
■折点布設
折点部布設の場合は、斜角用部材を用いて布設します。
■抜出し防止金具(例)
軟弱地盤の不同沈下対策及び耐震対策として、ゴム輪と抜出し防止金具により性能を向上させます。